小規模企業共済のデメリットを知っていますか?

税金

個人事業主、フリーランスの節税商品として有名な小規模企業共済。
支払ったときは、所得控除として、所得税、住民税が少なくなり、将来、事業を廃業などして退職金として受け取ったときは、税金がかなり優遇されます。

小規模企業共済のメリットは他のサイトでも詳しく紹介されていますので、デメリットを3つ紹介しようと思います。

元本割れする可能性がある

これは中小機構のホームページでも記載がありますが、掛金を支払った月数が累計で240ヶ月(20年)を下回った状態で、任意に解約すると元本割れします。また、240ヶ月支払ったとしても、途中で増額や減額をした場合には、元本割れする可能性があります。

また、任意解約の場合は、退職所得にはならず、一次所得になりますので、節税のうまみがなくなります。

資金繰りが悪化する

自分の銀行にお金を預けているのではなく、外部にお金を払って、将来の退職金のために運用してもらっているので、今月は資金繰りが厳しいからなどといって、自由にお金を引き出すことはできません。

ただし、最低掛金の1,000円まで、掛金を減額することはできます。また例外として、支払いが著しく困難な場合には、半年または1年の間、掛金の払込みを止めることも可能です。

そのお金を投資に使っていたらもっと増えたかも

小規模企業共済に加入する、掛け金を払う目的は、おそらく、掛け金を支払っても退職金をもらっても節税になるからお得だ!という理由だと思いますが、そのお金をもっと利回りのいいものに投資していたら、ということを考えたことはありませんか?(投資したほうがお得ですよ、という話ではありません。)

例えば、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500は、導入された1957年以来、平均で10%の利回りを記録しており、2012年から2021年の過去10年間においては、年率14%の利回りを記録しています。

過去に高い利回りだからといって、今後もこのような利回りになるということは誰も保証してくれません。これまではアメリカが世界経済の中心でしたが、今後は中国やインドがアメリカにとってかわり、アメリカは衰退していく、だから、今後こんな利回りは期待できない、という考えの方も当然いるでしょう。

でももし、今後もこれぐらいの利回りで運用できたとしたらどうなるのか、考えたことありませんか?

小規模企業共済に掛け金を支払った場合と、S&P500に連動する投資信託に投資した場合でどうなるか超ざっくり計算してみました。

条件は以下の通り。

  • 掛け金 毎月5万円(年間60万円)
  • 運用期間 30年(30歳〜60歳、40歳〜70歳などの30年を想定)
  • S&P500の想定利回り 5%(過去の実績からするとだいぶ控えめです。)

小規模企業共済は最大で掛け金の120%になって退職金として受け取れますので、
60万円 ✕ 30年 ✕ 120% = 2,160万円

一方、S&P500に連動する投資信託に毎月5万円投資して、30年間、5%の利回りで運用すると、
60万円 ✕ 66.439(年5% 30年の年金終価係数) = 約3,986万円(投資総額の2.2倍)

小規模企業共済では、支払ったときに、全額所得控除があり、かつ退職金として受け取ったときにも税金が優遇され、
一方、投資信託では、手数料として管理費用(0.1%ほど)がかかるし、売却時には、儲け部分に対して、2023年の税制だと所得税15%と住民税5%の合わせて20%の税金がかかります。(実際には2037年まで、さらに0.315%の復興特別所得税がかかります。)

なので、それらを考慮すると、もっと差は縮まるかもしれませんが結果が逆転する(小規模企業共済のほうが最終手取り額が多くなる)のは考えにくいのではないでしょうか。

また、小規模企業共済の掛金を支払ったときの税率、運用年数、投資した場合の利回り、将来の税制など、条件によって、結果は様々です。実際、税制は毎年変わりますし、退職金課税の見直しが検討されていますので、退職金で受け取ると税金が優遇されるのもどうなるかわかりません。

まとめ

小規模企業共済のデメリットについて書いてみました。
3つ目は、正直、小規模企業共済自体のデメリットではなく、小規模企業共済をやることによる機会損失の話でした。今回はシミュレーションというレベルのものではないので、今、小規模企業共済を検討しているが、投資で運用すると自分の場合はどうなるのか気になる方はぜひシミュレーションしてみてください。また、投資は元本を保証するものはありません。取り崩し直前まで順調に増えていたのに、急に株価下落なんてことも起こり得ますので、投資は自己判断でお願いします。
ではまた。

タイトルとURLをコピーしました